実際、グロースハックって言葉を知っているか方は、どれほどいらっしゃるでしょうか?
おそらく、マーケティングや、ウェブ・IT関連に足を踏み込んでいる人以外は、あまり知らないのではないのではないでしょうか。
むしろグロースハックは、マーケティングを始めとしているプロフェッショナルだけでなく、副業にこそ用いるべき言葉だと感じます。
さて、グロースハックとは何か、というと「費用をかけずに集客をすること」です。
一言で言えば、それだけです。
「費用をかけずに集客をする」ために、何を仕掛けるかを考え尽くし、実行することは、言ってみればグロースハックになります。
まあ、一言で言ってしまえば簡単なんですけれど、もちろん、方法が色々あるわけです。
グロースハックっていう考え方は分かっても、実際に出来ないから困っているわけであって。
どうやったら費用をかけずに集客出来るのか、ということを、延々と偉い人達が考えに考えて、その足跡を私たちに残していってくれているんです。
今日は、そんなグロースハックの基本的な考え方から事例まで、解説していきたいと思います。
グロースハックの歴史、なんてことを説明する気は無いんですが、その歴史そのものが手法を語ってくれるので、起源と呼ばれている事例をお伝えします。
みなさん、Hotmailって使っている方いらっしゃいますか?
マイクロソフトのHotmailですね。
1996年、当時、宣伝広告の手段が今ほど多彩ではなかった時代。どうやってHotmailをみんなに使って貰えばいいのか、ということを、偉い人たちが考え始めたわけですね。
そこで生み出されたのが、メールの下に「P.S. アイ・ラブ・ユー:Hotmailで無料メールアカウントを開こう!」というメッセージをつける、という作戦です。
今は、メールサービスを使えば、大抵はこういったメッセージついてきますよね。
iPhoneからメールを送ったときも、メールの下に「このメールはiPhoneから送信されました」とメッセージが入っていますよね。あれもグロースハックの一種です。
メールを送ることによって、勝手に自分のサービスが拡散されていくわけです。
こうして、Hotmailが最初に始めた「メールの下に自社の宣伝をいれる」という手法を皮切りに、グロースハックという考え方が徐々に出来上がっていきました。
基本的な考え方をまとめると、グロースハックは、これら2つの言葉にわけられます。
「拡散の仕組みを仕込む」とは、先ほど説明させて頂いたような、Hotmailを代表する、使ってもらえば使ってもらうほど、どんどん勝手にサービスを広げていく仕組みを仕込むことです。
Hotmailのように、ユーザーが使えば使うだけ、だれかに自分のサービスが伝わり、伝染していったら、非常に楽ですよね。
このような、勝手にユーザーが広げていってくれるような仕組みを、最初からサービスの中に入れておけばいいのです。
では「地道に分析して改善する」とは何でしょうか。
分析しなければならないという「分析力」が必要にはなりますが、とりあえずやってみないと分析力はつきませんので、まず初めてみましょう。
例えば、自分が書いたブログ記事にアクセスが来た場合、どうすれば「読んでもらえるのだろう」であったり「どうすれば商品が売れるのだろう」という試行錯誤をしますよね。
これを、データを見ながら考え、企画していくわけです。
Googleアナリティクスという、無料で使えるアクセス解析ツールがあります。
このアクセス解析ツールをまずはブログやウェブサイトに導入しましょう。
Googleアナリティクスを活用すると、ユーザーがどこから来たかとか、どのページにどれくらい滞在したとか、スマートフォンからなのか、パソコンからなのか、何人きたかとか、かなり細かいデータを収集することができます。
これらのデータを細かく分析してみると、たとえば「このページに入ってくる人が多いから分析してみよう」であったり「ここを改善すればもっと滞在してくれるんじゃないか」といった予測が立てられます。
データを元に仮説を立てて実際に仕掛けてみる、この繰り返しです。
ほんのすこしの改善や仮説の積み重ねで、よりよい結果を積み重ねていくことも、グロースハックの手段となります。
「拡散の仕組みを仕込むこと」と「地道に分析と仮説、改善を積み重ねること」。大きくわけで2つの考え方がグロースハックという手法を支えています。
まず、Dropboxはグロースハックの成功例の1つです。
Dropboxは、インターネット上であらゆるデータを共有できる、ストレージというサービスを提供しています。
例えば、自分のパソコンの中にあるファイルを、他のパソコンやスマートフォンなどでも使いたい、と思った場合。Dropboxはスムーズに全ての機器でファイルを共有することが出来ます。
また、仕事仲間や友人と、共有のフォルダを1つシェアして、全員で1つのフォルダでデータを管理することもできます。
ウェブ制作やIT関連の仕事では、よく使うツールの1つですね。
実はこのDropbox、あまり最初は期待されていなかったんですが、グロースハックの手段を使うことによって、広く拡散させることに成功したのです。
どうしたかというと、サービス自体は「非公開」にして「順番待ちリスト」に登録させたのです。
順番待ちリストに登録して「使えるようになったらお知らせします」という形で、公開する前にまずはメールアドレスを登録させる仕組みを作ったわけですね。
さらに、動画を作り、よりDropboxがどのように便利なサービスなのかを伝えやすくしました。
こうして、非公開のサービスにして、順番待ちリストに登録する、という手段に切り替えることで、一気に拡散され、ユーザー数を伸ばしたのでした。
というより、近年流行ったサービスに関しては、ほとんどグロースハックなんですけどね。
例えばインスタグラム。
インスタグラムは、全世界知らない人はいない!というくらいのサービスに進化しました。そこには、下記のような拡散の仕掛け作りをした、という秘密があったわけです。
これらの、今では「当然じゃないか」という方法を先駆けてやったことによって、一気にサービスを拡散させたのです。
もう1つの例がPaypalです。みなさんPaypal使っていますか?
昔はちょっと使いづらいこともありましたが、今はサイトもリニューアルされて使いやすくなりましたね。
Paypalは決済サービスで、事業者側が誰でもクレジットカード決済システムを導入できるようにするので、ものすごく便利なサービスなのです。
仕組みとしては、まず利用者側がPaypalアカウントを登録し、自分の支払い方法としてクレジットカードを登録しておきます。
何か商品を購入するとき、利用者はPaypal経由で支払うことによって、クレジットカードから決済されるわけです。
このPaypalもグロースハックの手法をいくつか取り入れることによって、世界的に有名なサービスになりました。
登録してくれた人にインセンティブを支払うこと。そして既に広く使われているサービスと連携する、というグロースハックを仕掛けたことで、大きく認知度を高めたわけですね。
そして3つめのAirBnb。すでに日本でも広く知られてしますが、民泊サービスですね。
AirBnbは個人が自分が持っている、もしくは借りている物件などで、空いている部屋があった場合、AirBnbに登録して貸し出せるというサービスです。
AirBnbもグロースハックの考え方を活用していました。
結果的に、AirBnbは広く拡散され、今や世界中で旅行の在り方や暮らしを変えるまでのサービスに進化したわけです。
このように、グロースハックの考え方や仕組みを導入して、一気にシェアを拡大したという例はいくつもあります。
少し見ていて、気がついた人は気がついたかもしれませんが、グロースハックとは、別に手法自体が真新しいとか、何か特別なツールがあるとか、そういうことではないのです。
これまでもサービスを提供する上で、いかにみなさん、費用をかけずに宣伝できるかを考えてきたわけですし、既に試行錯誤されてきたことでもあります。
つまり、グロースハックとは何か、というと費用をかけずに拡散させるにはどうすればいいか、という「考え方」そのものなのです。
マインドセット、なんて呼んだりもしますね。
費用をかけずに集客する考え方を、しっかりと形にして、明確にして、こう考えるべき、という思考の新しいセオリーを作っていったのが、グロースハックであると個人的には感じます。
例えば、グロースハックではデータを分析していくことが大事ではあるのですが、費用をかけなくても集客するために、しっかりと「データを分析して仮説を立てましょう」という考え方が最初からあると、ブレないわけですね。
基本的にグロースハックで大事なことは、これまで発明されてきた手段を交えながら「どうすれば一気に自動的に拡散するか」を自分の頭で考えることです。
次回以降、グロースハックの具体的な方法をより深めてお伝えしていきますが、色々ある手法の中から取り入れられるものは取り入れ、自分の頭で考えるところは考えて、少しづつでも自動的に拡散、集客できる仕組みについて理解を深めていきましょう。
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